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イン殺 RSSフィード

2003-07-19

ぼくらはみんなリンクする リンクするから狂うんだ ぼくらはみんなリンクする リンクするから狂うんだ - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - ぼくらはみんなリンクする リンクするから狂うんだ - イン殺

「インターネットが集合的無意識を加速する、というお話について。」

「もとよりあの話が出鱈目であることは置いておくとして、個人的には、ネットはそういったモヤモヤとしたものを伝えるのにこそ相応しい道具だと思ってます。
狂気が伝染するのなら正気も無意識も伝染しない筈はないのです。
(後世からすれば、2003年はまだそんなネットの可能性を信じられる旧き良き時代だった、ということになるのかもしれませんが)」

「例えば“イメージ”のお話。
ずいぶん前からこのサイトに書こうと思っていた一つの題材があります。
それは一言で云うと、猫のぬいぐるみを電子レンジに入れる話。」

「一つの表し方は小説で、これはおそらく主人公である大学生の“彼”の視点になるでしょう。
主人公の“彼”は初めて“彼女”の家を訪れる途中、電車の中で“彼女”の思い出話を聞くのです。
曰く、“彼女”は9歳の誕生日に友達を家に招いた。
その日はちょうど日曜日で、両親は家でパーティーの準備をしてくれた。
パーティーの途中、彼女はふとしたきっかけで“父親”を怒らせてしまう。
それは友達の男の子の乱暴な振る舞いをかばったことだったのかもしれないし、或いはたまたま疲れていた父親が子供の金切り声に耐えられなくなったせいなのかもしれない。
とにかく“彼女”は“父親”を怒らせる。
しばらくしてから、“彼女”は“猫のぬいぐるみ”がないことに気づく。(ぬいぐるみは“彼女”の昔からのお気に入りかもしれないし、或いは男の子からもらった誕生プレゼントなのかもしれない)
しばらく家中を探し回った末、“ぬいぐるみ”はオーブンから発見される。何となく気をそがれて終わる誕生パーティー。
“彼女”が語り終わったとき、“彼”は唐突に“父親”が犯人であることに気づく。
同時に“彼”は“彼女”の家が共働きであったことを思い出す。そして“彼女”の“母親”は料理好きではなかったことも。
共働きで忙しい“母親”はオーブンを買わないだろう。ましてや料理が得意でないならば。
“彼女”の家にあったのは電子レンジだ。
“彼”がそう思ったとき電車は停まり、“彼女”は“父親”が家にいることを告げる。」

「或いは別の語り方をするなら、社会人4年目を迎えた“彼女”の話になるかもしれません。
“彼女”が家に帰ると、お気に入りの“猫のぬいぐるみ”が見つからない。
探した末に“彼女”は“ぬいぐるみ”が電子レンジに入れられていることに気づく。
部屋の鍵はかかっていたし、盗まれたものや壊されたものはない。
しかし、“彼女”が家を出たとき、確かに“ぬいぐるみ”はベッドの横にあった。」

「思いついておいて云うのもなんですが、このまわりくどい悪意と狂人特有のユーモアセンスが好きで、途中までは勢いよく書いたものです。(そして3年ほど放置)
今になってこの話を持ち出すのは、“猫のぬいぐるみを電子レンジに入れる”というシンプルな一文が、無意識を伝染させる一例になるのではないかと思ったからです。
この文章を読んだ人間は、とりあえず数週間は猫のぬいぐるみを見るたびに電子レンジを思い出すでしょう。ぬいぐるみを持っている人は、それを電子レンジに入れてみたくなるかもしれない。
今までの実績を見ると、今後google:猫 電子レンジで検索したときにこの文章がヒットすることは確実で、そうすると意外に大勢の人が“猫のぬいぐるみ = 電子レンジ”という連想を刷り込まれるかもしれない。
これは猫・電子レンジ・ぬいぐるみ・邪悪という個人的なイメージの連結がネットを通じてバラまかれるということで、無意識が - Google を通じて半自動的に - 拡散していく様子として、とても愉快だと思うのです。」

(こういった発想は、ひょっとすると情報に対するテロや呪いと呼ばれるのかもしれない。しかしそれはこのサイトが人の精神と行動を殺しうるということで、一つの理想形としての“インターネット殺人事件”であるはずだ。)

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