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2005-05-28

ジャンプ雑感 2005-05-28 ジャンプ雑感 2005-05-28 - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - ジャンプ雑感 2005-05-28 - イン殺

  • 最近のジャンプについて。
    • 個人的な漫画の評価基準のうち、根幹を為すものは 2 点。「その作品でしか読めない何かがあるかどうか」「先の展開がどれだけ予測不能か」。この 2 つを両方満たしている作品はほとんど単行本を買います。(例外もあるけど)
      • 予測不能というのは「予測が外れやすい」といったレベルではありません。ミステリ読者ならよく分かると思いますが、読む側というのは筋道立てて先を読むのではなく、様々な要素から想像できる複数の未来をぼんやりと思い浮かべ、ストーリーがそのどれかに似ていれば「ああ読みが当たった」と感じるものです。ここでの予測不能とはそういう茫漠とした予想レンジを遥かに超えた、ある名台詞を真似るなら「必ずその少し斜め上を行く」展開のことです。
      • 今のジャンプで両方の条件に当てはまる(と思う)作品は 4 つ。『HUNTER×HUNTER』、『ピューと吹く!ジャガー』、『テニスの王子様』、そして『魔人探偵脳噛ネウロ』。
        • ジョジョ好きが例外なく『ネウロ』に注目していることは既に常識ですが、それは主に異様な構図を多用する作画、名状しがたい冒涜的な魔人造形などのデザイン面によるところが大きかった。しかし最近の『ネウロ』は別の意味で荒木飛呂彦的と言える独自の魅力を発揮しつつあると思う。
          • ドーピングコンソメスープの話ではないです。コンソメはあれはあれで好きですけど。
          • 一番感心したのはアヤ・エイジアの能力のエピソード。依頼人として登場した彼女は全世界で 3 億枚アルバムを売り上げた地上最強の歌姫という設定。まあ荒唐無稽ですね。しかし彼女は言う。「人間の中にはある特定の構造の脳を持つ人がいる。私の歌はその人たちの脳をダイレクトに揺らすことができる。世界にはそういう脳の人たちが 3 億人いる。それだけよ」
          • 実に興味深い。荒唐無稽な設定を異形の説得力でそれらしく見せる力。何より、脇役に独特な人生哲学を注入することでキャラを立てる手法。どこかで見たことがありませんか皆さん。突然本筋に無関係に見えるキャラの過去話が始まるが、それはそれで面白くて注目してしまう。しかもそれはそのキャラの特殊能力と生きる目的に繋がっており、回想から戻ると急にそのキャラが輝いて見える。これこそ荒木飛呂彦が得意とし第五部で多用された手法、名づけて「ギャングスターに憧れるようになったのだ!」メソッド。或いは「吐き気をもよおす邪悪とはッ!」メソッド。
            • これを 2 〜 3 ページでやるのが「筋肉は信用できない」メソッド(from ジョンガリ・A)。アヤ・エイジアのエピソードはこっちですね。
            • このエピソードの中に出てくる魔界アイテムが拷問楽器「妖謡・魔」。マゾのサイコ野郎をお仕置きする道具がヨーヨーマッ。ジョジョとの相関を考えてしまうのはうがちすぎだろうか。
            • 当サイトとしては、荒木飛呂彦と似た技を使う新人漫画家? そんなもの、応援しねえわけにはいかねえだろう…! というわけで、単行本は買う予定。でも正直 3 巻くらいで打ち切られる予感はします。ジャンプのメイン読者に醜いものの美しさが受けるとも思えないし。
              • 全然関係ないんですが、最近注目の概念が「中二病」と「ツンデレ」。どちらもいろんな作品を視点を変えて再発見するという不毛さがたまらないですね。そんなこと言い出したら『地獄変』の良秀だって中二病じゃねえか、という。
        • なお、『DEATH NOTE』は第 2 部がどう転がるか分からないので様子見中。第 1 部のコミックスは買いました。
    • 新連載のツンデレの方。
      • 綿密なマーケティングリサーチですな。でもマガジンより数年遅い。
        • 金髪ツインテールキャラのデータベースは今のところない模様。登場年月、作品ジャンル、髪の色、性格で検索できる DB が欲しいですね。誰か作ってくれたら色々検索して 1 時間くらいゲラゲラ笑います。
          • 一番参考になったのは fuzzy2.com - ツインテールとは
          • Someone Wiki にページを作ろうかと一瞬思いましたけど、そういう萌え萌えしいデータを置くとサイトに邪気が溜まるので中止。
            • 闘・食・性など本能に基づいた情報は邪気を呼ぶというのが当サイトの哲学です。

[] 『柳生非情剣』(隆慶一郎、講談社文庫)  『柳生非情剣』(隆慶一郎、講談社文庫) - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク -  『柳生非情剣』(隆慶一郎、講談社文庫) - イン殺

柳生非情剣 (講談社文庫)

柳生非情剣 (講談社文庫)

「こないだ(id:xx-internet:20050519:p2)も書きましたが、隆先生は柳生一族が好きすぎて一歩も歩けないタイプの作家なので、そういう人が柳生の各剣士をテーマにした連作短篇集なんか書いたらとても面白いことになります。ネットに落ちてる『 ONE PIECE 』とか『 School Rumble 』とかの SS の一番キッツい奴と同じくらいラヴに溢れた作品集が出来上がるわけですね。それがこの本です。
しかも隆先生はマイナーキャラが殊のほかお気に召すようです。『エヴァ』の同人誌で真っ先に伊吹マヤを取り上げるタイプですね。それもこの本です。
なんか故人に対して恐ろしく失礼なことを書いている気がしますが、それはさておき各作品のあらすじ。」

慶安御前試合〈柳生連也斎〉
兵庫介(如雲斎)の息子の連也斎が十兵衛の弟の柳生宗冬や柳生義仙と戦う話。連也斎は天才剣士なので超強い。
柳枝の剣〈柳生友矩〉
十兵衛の弟の左門友矩(家光と相思相愛)が柳生十兵衛と戦う話。友矩は色小姓と呼ばれたりで史実上は評判悪いが、隆先生の脳内では十兵衛に匹敵する天才剣士なので激強い。あと家光とウザいくらいラブラブ。
ぼうふらの剣〈柳生宗冬〉
十兵衛の弟の宗冬が宗矩十兵衛と戦う話。宗冬は才能がないという理由で史実上は評判悪いが、隆先生の脳内では柳生の剣の極意を得た大剣士なので鬼強い。
柳生の鬼〈柳生十兵衛
柳生十兵衛が修行する話。十兵衛は隆先生の脳内ではすぐキレる上に人を斬り過ぎて白昼から亡霊を見たりするような邪悪生物だが、この話では一心に修行を重ねて剣の極意を会得するので名実共に柳生最強。
跛行の剣〈柳生新次郎〉
石舟斎の息子で兵庫介(如雲斎)の父親の新次郎が石舟斎と陰惨な戦いを繰り広げる話。新次郎は若い頃に腰に怪我を負い、終生杖を手放せなかったという理由で史実上は問題外扱いだが、隆先生の脳内では不屈の精神を持った剣士にあっては自己(おのれ)に与えられた過酷な運命(さだめ)こそかえってその若い闘魂 (たましい)を揺さぶるので、ついには独自の剣術を工夫してギガノ強くなる。
逆風の太刀〈柳生五郎右衛門〉
石舟斎の息子の五郎右衛門が戦死する話。五郎右衛門は若くして戦死したので史実上は評判悪いが、隆先生の脳内では関ヶ原の合戦で小早川秀秋の近くにいたりと『影武者徳川家康』の序盤の一番盛り上がるシーンに間接的に関わっているので恐ろしくいい男に美化されていて、それがまた死に際に死狂うのでもう絶天狼強い。

「まあ見てのとおりマーヴル・スーパーヒーローズと闘っても勝てそうな超人揃いです。山風先生描くところの徳川一族とそっくりですね。山風先生はスーパー系で隆先生はリアル系という違いはありますけど。いったい柳生一族をどうするつもりなんですか隆先生。」

「個人的には、ちょうど同時期に遊んでいたロマンシングサガの技名に月影の太刀、逆風の太刀、小転(こまろばし)といった柳生フレーズが出てくるのが楽しかったです。おりしもヤングマガジンで『Y十M』も開始するし、今年は全てが Y になる年に違いありません。」

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