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2005-05-28

[] 『柳生非情剣』(隆慶一郎、講談社文庫)  『柳生非情剣』(隆慶一郎、講談社文庫) - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク -  『柳生非情剣』(隆慶一郎、講談社文庫) - イン殺

柳生非情剣 (講談社文庫)

柳生非情剣 (講談社文庫)

「こないだ(id:xx-internet:20050519:p2)も書きましたが、隆先生は柳生一族が好きすぎて一歩も歩けないタイプの作家なので、そういう人が柳生の各剣士をテーマにした連作短篇集なんか書いたらとても面白いことになります。ネットに落ちてる『 ONE PIECE 』とか『 School Rumble 』とかの SS の一番キッツい奴と同じくらいラヴに溢れた作品集が出来上がるわけですね。それがこの本です。
しかも隆先生はマイナーキャラが殊のほかお気に召すようです。『エヴァ』の同人誌で真っ先に伊吹マヤを取り上げるタイプですね。それもこの本です。
なんか故人に対して恐ろしく失礼なことを書いている気がしますが、それはさておき各作品のあらすじ。」

慶安御前試合〈柳生連也斎〉
兵庫介(如雲斎)の息子の連也斎が十兵衛の弟の柳生宗冬や柳生義仙と戦う話。連也斎は天才剣士なので超強い。
柳枝の剣〈柳生友矩〉
十兵衛の弟の左門友矩(家光と相思相愛)が柳生十兵衛と戦う話。友矩は色小姓と呼ばれたりで史実上は評判悪いが、隆先生の脳内では十兵衛に匹敵する天才剣士なので激強い。あと家光とウザいくらいラブラブ。
ぼうふらの剣〈柳生宗冬〉
十兵衛の弟の宗冬が宗矩十兵衛と戦う話。宗冬は才能がないという理由で史実上は評判悪いが、隆先生の脳内では柳生の剣の極意を得た大剣士なので鬼強い。
柳生の鬼〈柳生十兵衛
柳生十兵衛が修行する話。十兵衛は隆先生の脳内ではすぐキレる上に人を斬り過ぎて白昼から亡霊を見たりするような邪悪生物だが、この話では一心に修行を重ねて剣の極意を会得するので名実共に柳生最強。
跛行の剣〈柳生新次郎〉
石舟斎の息子で兵庫介(如雲斎)の父親の新次郎が石舟斎と陰惨な戦いを繰り広げる話。新次郎は若い頃に腰に怪我を負い、終生杖を手放せなかったという理由で史実上は問題外扱いだが、隆先生の脳内では不屈の精神を持った剣士にあっては自己(おのれ)に与えられた過酷な運命(さだめ)こそかえってその若い闘魂 (たましい)を揺さぶるので、ついには独自の剣術を工夫してギガノ強くなる。
逆風の太刀〈柳生五郎右衛門〉
石舟斎の息子の五郎右衛門が戦死する話。五郎右衛門は若くして戦死したので史実上は評判悪いが、隆先生の脳内では関ヶ原の合戦で小早川秀秋の近くにいたりと『影武者徳川家康』の序盤の一番盛り上がるシーンに間接的に関わっているので恐ろしくいい男に美化されていて、それがまた死に際に死狂うのでもう絶天狼強い。

「まあ見てのとおりマーヴル・スーパーヒーローズと闘っても勝てそうな超人揃いです。山風先生描くところの徳川一族とそっくりですね。山風先生はスーパー系で隆先生はリアル系という違いはありますけど。いったい柳生一族をどうするつもりなんですか隆先生。」

「個人的には、ちょうど同時期に遊んでいたロマンシングサガの技名に月影の太刀、逆風の太刀、小転(こまろばし)といった柳生フレーズが出てくるのが楽しかったです。おりしもヤングマガジンで『Y十M』も開始するし、今年は全てが Y になる年に違いありません。」

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