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イン殺 RSSフィード

2006-11-27

[]『まとちゃん』(結城心一、REX COMICS) 『まとちゃん』(結城心一、REX COMICS) - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『まとちゃん』(結城心一、REX COMICS) - イン殺

「堪能いたしました。」

まとちゃん (IDコミックス REXコミックス)

まとちゃん (IDコミックス REXコミックス)

「かねてより萌え文化の空気が読めていないと思われるわたくしこと xx でありますが、本書が提示する萌えのスタイルに触れ、若干ながら蒙を啓かれた思いであります。世に言う「萌えとエロは異なる」という言説の意味するところが納得できました。つまり萌えとは非破壊検査なのではないでしょうか。観察者視点と言っても構いません。そこには『よつばと!』でも見られた、幼児の奇矯な言動を慈しむ眼差しが見られます。少々方向性は異なるものの、『まとちゃん』にもそういった暗黙の超越者視点に通ずるものを感じました。」

「本書の題材である"虫"については、脊髄反射的に嫌悪感を覚える方もおられることでしょう。だがちょっと待ってほしい。虫に対する偏愛または憎悪を通じて少女たちが豊かな情操を育む様は、まさしく昨今求められている『美しい国』の形成過程そのものではないでしょうか。ゆとり教育の影響がこんなところにも! しかも、『まとちゃん』は少女たちを教え導く側の教師たちが、逆にまとちゃんと虫たちに触れることで本当の自分を再発見するという大人の成長物語でもあるのです。終盤、やちほ先生が心からの笑い声を上げる描写などは命の輝きに満ちた名シーンだと思います。」

「そのほか、ストーリー展開においても各種先鋭的な試みが取り入れられている点も新しいと感じました。この作品が『週刊わたしのおにいちゃん』に連載されたのもむべなるかな、といった印象です。個人的にはまとちゃんが半眼になる回(婉曲表現)には強い感銘を受けました。寡聞にして萌えには造詣が深くないのですが、ああいった意外性を秘めたエピソードが日常的であるのなら、日本の萌え文化は想像を越えて豊饒であると言わざるを得ません。可愛いもの好きの方に、是非とも手に取って頂きたい一冊です。虫キライ? なあに、かえって免疫力がつくので OK ですよ。」

参考