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イン殺 RSSフィード

2007-07-27

[]『島耕作』は面白い。面白いんですってば。 『島耕作』は面白い。面白いんですってば。 - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『島耕作』は面白い。面白いんですってば。 - イン殺

  • watapocoの日記 - ちょっと皆さん島耕作シリーズって読んだことあります? (d:id:watapoco:20070727:p1)

「島耕作が DIS られていたので笑いながら読んだのですが、どうにも違和感が拭いきれないので『島耕作』は面白い、という話をします。なぜ自分が島耕作の弁護を、というインナー調停者の声をねじふせつつ。」

そもそも『島耕作』は面白いのか

「読んでしまう程度には面白い、としか言いようがないのです。自分も『島耕作』の単行本を買っているわけじゃなく、モーニングをコンビニや漫画喫茶で読むときに目を通してるくらいですが。
もちろん『島耕作』のストーリーが凄絶なご都合主義と中年向けエロスに満ちており、"少年漫画誌とかにある、さえない男の子に何故かたくさんの美女がちょっかい出してくるお話"と五十歩百歩であることは痛いほど分かります。しかしながら、空から降ってきた女の子がダメな主人公にいきなり惚れる漫画は数あれど高橋留美子は高橋留美子であり藤島康介は藤島康介であるように、読者の願望を充足させるだけでは数十万部・数百万部は売れていきません。そこには何か他と違う魅力があるはずなのです。」

では、『島耕作』の長所とは

「難しいこと聞きますね。ひとつ言えるのは無難かつそこそこスリリングということでしょうか。万人に受ける物語とはそういうものです。水戸黄門然り、桃太郎然り、ドラえもん然り。」

「サラリーマン漫画のスタンダードがどのあたりかというのは、割と空想よりの漫画生活をエンジョイしている xx にとっては比較的難しい問いかけです。ジャンプに出てくるサラリーマンは吉良吉影しか思いつかないし、サンデーに出てくるサラリーマンは『金色のガッシュ』のサンビームさんくらいしか思いつかない。ウルトラジャンプやチャンピオン RED にはもっと出てこない。それはもうネヴァーモア出てこない。ヤングアニマルに出てくるサラリーマンなんて『ふたりエッチ』の真さんくらいですよ。しかしまあ、その程度の経験でも『島耕作』がそれなりに(あくまでそれなりに)リアルであることは分かります。特に初期は仕事漫画としての側面、サラリーマンの人間関係がどうこう的な話が多かったし。また、時事ネタを取り入れるときの如才というか節操のなさはなかなか侮りがたいものがあります。イブニングで連載されていた頃の扉絵は通してみるとなかなか趣深いのでおすすめ。」

  • 万博を訪れて劣化モリゾー・劣化キッコロと記念撮影する島耕作。
  • 老人介護用パワードスーツを着用する島耕作。スーツの上から。

「なおかつ、『島耕作』にはほどよいアンリアルも含まれます。元記事でご都合主義として批判されてるラッキーマンっぷりですね。むかし『If〜もしも〜』という『世にも奇妙な物語』の後番組がありましたが、あの if 選択に全て勝った姿が現在の島耕作です*1。最近の青年漫画の流行として、主人公が無難な日常話にワンアイディア的な超能力を加えて食感を変えるパターンの話*2が多い気がするんですが、その源流として『島耕作』を我々はもっと再評価すべきかもしれません。」

参考リンク

世の中に絶えて耕作なかりせば

「確かにこういった無難さというか、世俗と欲にまみれた漫画は時に嫌われることもあるでしょう。しかしながら、余人に嫌悪感を与えるほどに知られた漫画というのは、実のところその一事をもって既に成功しています。大衆に受けない漫画というのは、そもそも嫌われるほども知られないものだからです。世の中に『島耕作』よりも無難であったり、或いはより奇矯であったりするサラリーマン漫画はいくつもあるでしょう。それらは嫌われることすらなくブックオフの棚に埋没しています。逆に言うと、そういったピーキーな方向に飛ばず、常にそこそこの品質を維持してきたことが『島耕作』の凄みなんじゃないでしょうか。」

「一例を挙げると、殺し屋をやっていた忍者の末裔が忍法顔うつしによって一般人と入れ替わりサラリーマン生活を過ごす『サラ忍マン』という漫画があります。と書いても 90% の方は読んでいないでしょう。ピーキーだということはそれ自体ハンデであるからです。我々は『島耕作』のありえなさで盛り上がり、「憧れは島耕作」と抜かすブレイク前の二ノ宮知子先生に才能のほとばしりを感じることはできても、『サラ忍マン』の素晴らしさについて語り合うことはできないのです。」

「ことほどさように長く続いた作品というのは猫又にも似た妖気を帯びるものであり、年経た漫画を粗末に扱うのは得策ではありません。面白いとか面白くないとかいう観点とは別の楽しみがあるのです。さればこそ、我々は岡星さんが鬱病になったり*3、里中がさっちゃんと婚約したり、世界中にバラまかれた島耕作の胤が芽を吹き葉を出し樹に育った上でドラッグ中毒になって芸能界を引退したりする様を、歳時記さながらに愛でられようというものです。」

『島耕作っていま何やってんの』
『専務になったよ。政治家になるかと思ったらそこまで行かなかった』
『『総理・島耕作』よりは『大統領・島耕作』の方がインパクトあるよな』
『あと最近はインド行ってる』
『インドヤバいね。超ヤバいね』
『今年はインド経済がクるね』
『なんてったってインド人多いからね』

マイフェイバレット島耕作

「斜めの読み方をするのであれば、『ヤング島耕作』は至高の名作です。ただでさえ説教くさい弘兼先生による、全編が「昔はオレも苦労した」的エピソードというめくるめく世界。自分は島耕作が花見の場所取りをする回で爆笑しました。」

蛇足

「本棚の漫画で人間性を計るなんて悲しいことはやめませんか。漫画はもっと楽しむべきものです。『孤独のグルメ』と『愛がなくても喰っていけます』と『鉄鍋のジャン』を読破した上で何か食べに行くことをお勧めします。」

*1:余談だが、先週のモーニングに載っていた『傘がない!』(林明輝)は if に一度だけ負けた人の話だった。面白いのでおすすめ。

*2:『もやしもん』『ZOO KEEPER』『ゴッドハンド輝』あたり。

*3:快癒おめでとうございます。

wen000wen0002007/08/05 12:49クッキングパパもそういう楽しみ方できますね。
フラれてばっかりのダメな子だった田中くんが結婚して子供まで!
とか感動してみたり。

nonamenoname2007/08/05 19:25吉良の話で島耕作はバイツァダストが使えるんじゃないかと思ったり、あ、むしろキングクリムゾンの方が近いか

nekononekono2007/08/05 22:53アニマル漫画のサラリーマンで職コロの蜘蛛が真っ先に浮かんだ…ああ卑しい

ユージンユージン2007/08/07 14:11島耕作の素晴しい点は、何と言っても会社組織における嫌な奴の描写です。
上司、同僚、部下、取引先のあらゆる面で実に上手くトラブルメーカーを配置してあります。
彼らが引き起こす問題もリアリティがあります。というか本当にあったのでしょう。
所詮、美女も社会的成功も生臭さ、後味の悪さを消す為の薬味に過ぎないのです。
同じサラリーマンサクセス漫画を描いていても本宮ひろしのものとは対極に位置する漫画でしょうね。

SFSF2007/08/07 22:39ゴルゴ31さんのリンクで飛んできました。面白い考察、乙です。ためになりました~。
ユージンさんのご指摘にもうなずきつつ。
つか、これはやっぱり、笑う乃至は嗤うための読み物ではないかと。ご都合主義もここまでくれば潔いというか。ギャグが欲しいときにちょろっと読んでツッコミ入れてこき下ろすのが、正しい読み方ではないかと。
花見の会、是非探し出して読んでみたいと思います。

37372007/08/08 02:39朝目新聞さんのリンクからお邪魔します。確かに島耕作シリーズのストーリーは完璧なファンタジーと化していますよね。しかし、キャラなどの魅力やユージンさんがおっしゃっている人間関係のリアリティも人気にむすびついているのではないでしょうか。島耕作のいちファンとしては少なからず不快になる考察であると思います。

ビビビビビビ2007/08/08 16:26島耕作はオッサンサラリーマンが読んで楽しむための漫画だと思うので、本来の対象読者ではないものがああだこうだいうのはなんとなくフェアじゃないかなあ、という気がします。これが某ガンダムなら、「ガンダム」の名をつけた点で文句を言われる筋合いもできようというものですが。
いや、もちろん誰がなにをどう楽しもうが自由ですが、例えば島耕作をギャグとして読む楽しみかたは、島耕作をシリアスに読んでいる人を傷つける可能性があるということは忘れないで欲しいかなあ、と。

xx-internetxx-internet2007/08/09 02:03思いがけず『島耕作』の本当のファンの方の声が聞けて重畳至極です。キャラの魅力やリアリティに関しては、おっしゃるとおり xx よりも語るべき人がいると思います。そういった『島耕作』を愛して止まない方々は、思いのたけを blog にしたためた上で痛烈な DIS トラックバックを送っていただければ、世界はもっと混沌として面白くなると思われます。

十兵衛十兵衛2007/08/10 01:27島耕作はムリですが『あぶさん』だったら語れます。この手の長寿漫画はなぜ起こりうるかといえば、やはり、作者の影響が大きいと思います。
読者が嘲笑に値する作品を描いたとしても、それは作者にとって大いに真面目に描かれているからです。
大真面目に描かれた作品はそれだけ力がこもっている。なんだかんだいって、我々はその作者の本気が好きなんですよ。ゆでたまご然り、水島御大然り、板垣恵介然り。
『あぶさん』なんて還暦でプロ野球ですよ。ご都合主義っていうレベルじゃないです。

通りすがり通りすがり2015/02/21 00:57面白いといいつつ、
全然褒めてないですね!わろた!