2007-08-06
■ [石川賢]『天元突破グレンラガン(1)』、或いはケンを継ぐもの

- 出版社/メーカー: アニプレックス
- 発売日: 2007/07/25
- メディア: DVD
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「買いました。見逃していた第一話を観て全てが繋がったので、現時点の最新 20 話までのネタバレも交えて書きます。」
『ゲッターロボ』と『グレンラガン』の相似
「見る人が見れば分かるように、ゲッターなんですよ。あからさまに。いまさらながら気づいて非常に興奮してます。」
「まず、王都テッペリン陥落から 7 年後の世界、 Wikipedia.ja.天元突破グレンラガンの表記に従うと第三部で明かされた螺旋族と反螺旋族(アンチ=スパイラル)の戦いのエピソードは完全に石川賢的『進化』『空間の奪い合い』を体現してます。高度に進化した知的生命体は宇宙さえも滅ぼすという思想。これがどうもゲッターロボサーガのゲッター線の扱いに似てるなあと思いつつ、 DVD で第一話を見てみれば、無量大数の敵を切り払う巨大戦艦グレンラガン。なんというゲッターエンペラー。」
「というわけで、遅ればせながらgoogle:グレンラガン ゲッターロボで言及している人を探してみました。」
- ビバ!ダイナミックBlog@おたく鍋 - やべえ、ゲッター線出まくり。 (http://black.ap.teacup.com/devilwing/359.html)
- Nya's Manor: 「オトナアニメ」Vol5 グレンラガン特集を読む (http://nyayuki.cocolog-nifty.com/nyas_manor/2007/07/vol5_248d.html)
「このあたりで更に興味深い情報が。」
- 中島かずきは双葉社の編集者で、『真ゲッターロボ』『ゲッターロボアーク』の担当だった。
- オトナアニメ Vol.5 のインタビューで「(石川先生の死で)完結できなかったゲッターの魂を受け継ぎ、風呂敷を畳むのが自分の仕事だ」と語ったらしい。
「中島かずき氏は劇団☆新感線の脚本家としてしか知らなかったんですが、この情報でものすごくいろいろなことが腑に落ちました。ああ、『髑髏城の七人』と『神州纐纈城』のシンクロニシティはそういうことだったんだ。そういえば『吉原御免状』の舞台化脚本も中島かずきだったなあ、そりゃ石川賢が好きなら山風だって好きだし、言うまでもなく隆慶一郎だって大好きだよね。『グレンラガン』にしても、ロボットは無限の動力で動くものだし、変形がデタラメだなんてゲッターロボの誕生エピソードを見たら口が裂けても言えない。そしてダイガンザンまで取り込むラガンの能力は、空想ロボット史上ほぼ最悪とも言える真ゲッターロボのそれと酷似しているので、このまま行けば第一話のヴィジョンが実現することは疑いない。俄然話が面白くなってきました。」
『オトナアニメ Vol.5』を購入
「というわけで『オトナアニメ Vol.5』を買ってきました。」
- 出版社/メーカー: 洋泉社
- 発売日: 2007/07/10
- メディア: ムック
- 購入: 6人 クリック: 41回
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「注目はやはり「カミナの死、そして『グレンラガン』のこれから」と題した中島かずきインタビュー。」
――ひょっとして、 27 話の中にゲッターロボ・サーガを収めちゃうような展開になるんですか!?
中島 その通りです! だから、螺旋王は『ゲッターロボ G 』のブライ帝王くらいの敵。最後は『ゲッターロボ アーク』までいきますから(笑)。石川先生がお亡くなりになってしまったので『アーク』を完結させることはできないけど、『グレンラガン』でゲッターの魂を受け継いだパターンをやって、風呂敷を畳むっていうのは、自分の仕事だと思ったので。
『オトナアニメ Vol.5』 中島かずき INTERVIEW P20
「すげえ。石川賢の風呂敷を畳むと言った人を初めて見ました。しかも『グレンラガン』の展開を見ると、この発言は比較的マジだと思います。過去に見たアニメと比べても『グレンラガン』の展開の早さは相当特別ですが*1、たった 27 話で石川賢に追いつき追い越そうとするなら、むしろあれでも遅すぎるくらいです。前後編の劇場版を追加しないと終わらないんじゃないでしょうかと言ってみるテスト。」
「『オトナアニメ』にはグレンラガン中盤までの名台詞集も載っているんですが、この石川賢リスペクトっぷりを見たあとだと、第 9 話以降のカミナの死に衝撃を受けたシモンの姿は、石川賢の逝去を見た中島かずきのそれが投影されたものなんじゃないかと思えてきます。そう考えると、シモンのあの壊れ方と、復活したときの力強さが非常に身につまされるんですよ。第二部の冒頭でひきこもってカミナの像を彫りつづけるところは、訃報の直後に共鳴するように石川賢作品のレビューを書き始めたファンたちの姿に重なるし、第 11 話の口上なんてそのまんまですよ。」
兄貴は死んだ! もういない! だけど、俺の背中に、この胸に! ひとつになって生き続ける!
「イシカワ先生ーッ!」
「これで 11 話の脚本が中島かずきだったら妄想はあたかも事実のように xx の脳内で定着していたところですが、11 話の脚本は佐伯昭志なので、残念ながらそのような美談はありません。」
「まあそれはそれとして、『ゲッターロボ・サーガ』や『虚無戦記』が見せた超弩級スケールの世界観を超えるというのは途方もなく高いハードルだと思うし、そういう意味で第三期オープニングで暗示されているカミナの復活は"乗り越えられない先人"の暗喩なのかもしれません。しかし石川賢亡き世界に生きる我々はいつか彼の成果を乗り越えなければ先へは進めないのであり、それに立ち向かう覚悟を決めた作家がいるという事実に、一イシカワファンとして賞賛を禁じ得ません。」
残った問題は
「これで『グレンラガン』のオチが超投げっぱなしであったとしても、自分としてはもはや否定するすべがないということです。それどころか、もしかして超投げっぱなしの方が面白いんじゃないかという悪魔の囁きが聞こえてきます。いやいや、石川賢以外の誰かは石川賢じゃねェんだよ!」
「完全決着か、さもなければ KEND を望みます。」
蛇足
「『グレンラガン』 = 『ゲッターロボ・サーガ・レクイエム』という観点でオープニング『空色デイズ』の歌詞を深読みすると非常に面白いです。特に第三期(二番)。」
その背中だけ追いかけて
ここまで来たんだ
探していた
僕だけにできること
「あとこの部分。」
昨日よりも今日僕は
僕の生まれてきた理由(わけ)に気付いていく
答えはそう いつもここにある
*1:原作つきを端折りすぎて訳が分からなくなっているものを除けば、同じくらい早いストーリーは『トップをねらえ!』あたりか。

その絡みで石川賢『虚無戦記』にも見られる"仏教と SF のマリアージュ"はどこから来るのかという話を友人としていたり。とりあえずは「色即是空が圧倒的にネタとして使いやすいから」という結論になりました。
螺旋王という名前の本さえあるし、「混沌の城」では螺旋の力を「螺力」と表現していたりします。
情報ありがとうございます。
> とおりすがりさん
http://kill.g.hatena.ne.jp/xx-internet/20070828/p1 でもちょっと書きましたが、ガガガ文庫のノベライズ後書きですね。