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イン殺 RSSフィード

2008-05-01

「最近観た映画 2 & 3 。」

[]『グラインドハウス』(ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノ) 『グラインドハウス』(ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノ) - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『グラインドハウス』(ロバート・ロドリゲス、クエンティン・タランティーノ) - イン殺

「 DVD 完全版にて。いやまったくろくでもない映画であることですなあ。
意図的に古き善きアメリカエクスプロイテーション映画を再現しようとした本作ですが、あのわざと汚くした映像を、それなりの大画面 + DVD が一番綺麗に見えるアップコンバータつきの PS3 で観るという倒錯的な行いは、我々の DVD 欲を満たすところ甚だしいものがあります。バカラのグラスで安酒を呷るような。」

プラネット・テラー

「こと頭の悪さに関しては『プラネット・テラー』の方が上です。ちちしりふともも。カッコいい音楽。安い映像。バイオハザード。ゾンビ。車の天井を突き破って生えてくる腐った腕。謎の軍人ブルース・ウィリス(本人)。超嬉しそうに出演するタランティーノ。片足切断から機関銃レッグの鬼コンボ。エトセトラエトセトラ。」

「これを作った人たちはバカを誉め言葉だと思っているに違いないので、もうツッコんだら負けなんですよ。wikipedia:ロバート・ロドリゲスによると、監督はタランティーノとはブラザーと呼び合う仲だそうなので、もう作っている最中のノリノリ感が目に浮かぶようです。」

デス・プルーフ

「ある意味タランティーノらしすぎる作品。はっちゃけ分を『プラネット・テラー』に回したんじゃないかという綺麗さですが、悲しいことにこれもエクスプロイテーションを目指して撮られたエクスプロイテーションなので、結局バカなんですよね。」

タランティーノらしさの最たる部分は、オープニングから登場人物がものすごく下らないことをくっちゃべっているシーンです。これが延々続きます。本場のアメリカンジョークに観客が食傷しはじめた頃にようやくエクスプロイテーションが炸裂するわけですが、そこまでの体力が続かないと寝ます。なので、この作品は元気なときに観た方が面白いです。」

「タイトルの『デス・プルーフ』(即死耐性)は対衝撃用にカスタマイズされたアメ車のことで、これはこれでカッコいいんですが、何か和名になってるともっといいんじゃないかと思いました。でも『プラネット・テラー』と対で後ろに "in グラインドハウス" が付いても違和感がないものじゃないといけないので難しい。」

  • 即死耐性 in グラインドハウス
  • 死にやしないぜ in グラインドハウス

「いまいち。むしろ適当な映画に "in グラインドハウス" を付けてカッコよくするライフハックを提唱したいところです。」

  • SHINOBI in グラインドハウス
  • サタデー・ナイト・フィーバー in グラインドハウス
  • マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ in グラインドハウス
  • 玄田哲章 in グラインドハウス

[]『ノーカントリー』(コーエン兄弟) 『ノーカントリー』(コーエン兄弟) - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『ノーカントリー』(コーエン兄弟) - イン殺

狂人大原則一つ。狂人は己の信じる正義を命をかけて守り抜かねばならない。

「この話の狂人、アントン・シガーの行動原理はひとことで言ってこれです。吉梨さんに薦められたので観ましたが、なかなかこうマッタリとしてコクがありしつこさが舌に残る狂人を堪能させていただきました。」

「よくできた狂人が備えている特徴の一つに、世間の常識ではなくオレ理論に基づいて行動するという点があります。殺し屋であるアントン氏のポリシーはおそらく"人目につかない"なのです。
例えば、アントン氏が怪我をしたとしましょう。"人目につかない"ポリシーにより、彼は病院には行きません。治療は Do It Yourself です。そのための医薬品はどうやって入手するのか? 薬局で買う? それでは人目についてしまいます。正解は、"薬局の前に駐めてある車の給油口を空け、ハンカチと脱脂綿を詰めて点火してから店内に入る"です。数秒後、車は爆発炎上し、人々の目はそちらへ釘付けになります。その隙にアントン氏は目的のブツを調達し、悠々と店を出るのです。」

「要するに、狂人と関わってはいけないということです。諺に曰く"常識が通じない人間と長く関わるべきではない"(((c)恨み屋本舗。id:xx-internet:20080208:p1))。けだし名言であります。」

「とまあ、アントン・シガーのキャラクターだけで相当イケる本作ですが、不幸な事に彼の狂人と係わり合いを持ってしまった人々もなかなかいい味を出しています。トミー・リー・ジョーンズ演じる老保安官もさることながら、個人的にはテンガロンハットで銃を背負った口髭オヤジという西部劇かキン肉マンのアメリカ篇でしかお目にかかれないような超テキサス・ブロンコことモスさんが気に入りました。もお超テキサス。チェーンソーと並ぶテキサス名産品ですよ。
パンフレットを見たところ、演じるジョシュ・ブローリンはプラネット・テラーにも出ていたとのことで、よくよく顔を眺めてみればあの変態医師じゃないですか*1。キャリア的にはすごい表街道を歩んでいるはずなのに全くそうは見えないという意味で、日本映画で言うところの阿部寛みたいな人なのかなあと思いました。パンフレットに載っていたエピソードがいろいろな意味でステキすぎるので転載します。」

以前からコーエン作品の大ファンだったジョシュ・ブローリンの元に『ノーカントリー』の話が届いたとき、ブローリンはロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー in グラインドハウス』撮影の真っ最中だった。 コーエン作品に出演したいものの、撮影を抜け出すことの出来ないブローリン。そこで彼はロバート・ロドリゲス監督にオーディション用テープの撮影をお願いし、それをコーエン兄弟の元に送るという大胆な裏ワザを使うことにした。 快諾したロドリゲス監督は 1 台数百万円もする特殊カメラでジョシュを撮影し、さらにこの撮影にクエンティン・タランティーノも参加。結果、空前絶後の超豪華なオーディション・テープが完成した! のだが…… なんとブローリンは役を得ることができなかった。なぜならコーエン兄弟の関心はジョシュの演技よりも「このすごいテープを撮影したのは誰だ?」という方に傾いてしまったからだ。 しかし、ブローリンにとってラッキーだったのは、以降何人もの役者をルウェリン・モス役にオーディションしたものの、なかなかピンとくる人をみつけられないでいたコーエン兄弟が、一度 NG を出したブローリンを再度候補にあげたことだ。 2 度目は録画映像ではなく、生の演技をコーエン兄弟の前で披露し、ブローリンはモス役を射とめることに成功した。

「問題。このお話の中で一番バカなのは誰でしょうか。自分はタランティーノだと思います。」

*1:『プラネット・テラー』を観た人間には一瞬で伝わる説明

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