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イン殺 RSSフィード

2008-06-25

[]バキの話しようぜ、或いはねこかわいそう バキの話しようぜ、或いはねこかわいそう - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - バキの話しようぜ、或いはねこかわいそう - イン殺

「最近バキに対してはどうなのよ、というコメントがあったので久しぶりにバキの話でもしますか。読んでますよもちろん。チャンピオンは毎週買ってますからね。一応連載作品の 9 割は読んでる健気さを誰かに誉めてもらいたいくらいです。」

「バキね。確かにパッとしないですね。ピクル篇にノリノリになってる人はあまりいないんでしょうね。みんなあのバキっぽさというか、かつて確かにあり今はない何かを求めて『CYNTHIA THE MISSION』読んでるんでしょうね。確かにあれはいい。ほとばしるようにバキっぽい。じゃあバキっぽさって何だって話になるんですよ。今のバキには何が足りないのか?」

「考えたんですけど、それって"最強への憧れ"じゃないかと思うんですよ。思いつきなんですけど、板垣先生は既に最強への興味を失ってるんじゃないかって。
いうまでもなくバキには範馬勇次郎っていう最強の代名詞がいるわけじゃないですか。もお超最強。でも、何とかしてあの記号を打破したいって意欲が『グラップラー刃牙』や『BAKI』を支えてきたわけですよ。いわば∞へのケンカ。幼年篇でなんとか無限大の半分まで強くなって、最大トーナメント篇で世界中の格闘技を寄せ集めてそれをブチのめして常人の考える最強に近づいてみせて、で最強死刑囚篇で"格闘技の強さなんかタカが知れてる"って言い出したわけですよね。実際力道山だって素人に刺されて死んだじゃん、とか、ヒクソンだって機関銃で滅多撃ちにされりゃ死ぬんだろ、というか。そういうノールールで一番強いの誰なの? ホントに格闘技って強いの? っていう探求の末になぜか中国拳法最強幻想とかモハメド・アリ最強幻想に走ってあれ?って読者が思ってるところでようやく本気になるかと思わせた『範馬刃牙』ですよ。第一話の語りはすごい雰囲気があったと思うんですよ。"良識ある大人が信じない夢物語"って。そりゃ良識ある大人は"あー、はいはい、勇次郎最強最強"って流すし、そもそもチャンピオンなんか読むわきゃないんですよ。でも板垣先生とその読者ってそういう超下らない議論にバリバリ脳を回すじゃないですか。じゃあ何が一番強いの? 死刑囚でも武器でもなくて、中国拳法って一大鉱脈でもないならなんなの?って。もちろんアライなんか論外ですよ。キン肉マンでいえばジェロニモのようなものだしライダーでいえばライダーマンのようなものですよ。」

「そこでピクルですよ。あーもう何て言ったらいいのか、そう、あまりにナシすぎて逆に面白いんじゃないかと思ってしまう発想。確かに常人にその発想はないんですよ。ホント思いついちゃったんだろうな板垣先生っていう。なんとなくこう、地球の歴史上最強の生物を考えてて"じゃ恐竜食う人間がいたら超エキサイティングじゃねえ?"って行っちゃったんだろうなって感じはすごいよくわかる。自分もそういうの考えたから! 勇次郎ならティラノサウルスに勝てるんじゃないかってシミュレーションしたことが確かにあった。高遠るい先生もたぶん福井県立博物館で T-REX とリアルシャドーしながら同じこと考えてたんだと思う。ローから入るんですよね、わかります。」

「……でも、冷静に考えたらないんですよ。ピクルはない。だってピクルには知性がない。意志がない。邪悪さだとかてらいだとかケレン味だとかがなさすぎる。それを臆面もなく出してきた板垣先生には意志や邪悪やケレンがあるけどピクル本体にはない。同じようなことを日曜朝から『絶対可憐チルドレン』観て『Over the future』を聴いたときにも思う。小学生だけどさ、小学生だからね……。余りにもそれ自身に何もないよね……って思う。友人は『Over the future』について「歪んでるものが好きだから好き」って言ってた。それに「歌と歌い手本体には歪みがないだろ」って返したら「制作者の意志が歪んでる」って言われた。確かにそうだと思う。ピクルにもそういう歪みと歪まなさを感じる。」

「じゃどうすればいいのかって話ですよね。しかしそのアイディアがあれば自分はとっくに板垣恵介になってるわけです。従って今のところ具体的な案はないんですけど、プロセス的な部分には何となく思うところはあります。要は板垣先生、枷が足りないんじゃないかと思うんですよ。『餓狼伝』がグダグダになっていかないのは原作っていう枷があるからですよね。たぶんチャンピオンの担当編集は板垣先生の抑止力になれてないと思うんですよ。まあなれないですよね。真っ当な人間にはなれないと思う。先生本人はピクルでイケると信じてるわけですよね。それに対して直感的に"そりゃナイ"って思っても言えないだろうし、言ったとしても止められないですよね。あとは"じゃあやってみてください"って言うしかないもの。そりゃやっちまいますよ。余すところなく。羽田空港でクラウザーさんばりのファックを見せたところはさすがだね、ナガレイシだねと思いました。雑誌コードとかの枷がないんだろうなって。」

「『CYNTHIA THE MISSION』がどうやってそのへん回避してるのかっていうと、まあ板垣先生の経験を全て踏まえて描いてるっていうのもあるんですけど、今のところ最強って概念に対してかなり謙虚ですよね。"何がイチバン強いの!?"って疑問文に対して、頭を使って誠実に考えてる感がありますよね。いやもうデタラメな漫画理屈上の最強ですけど。人の体温を細胞ごとに総計したらゼットンの火球より熱いぜとか。なんかユニコーンガンダムと似たようなコンセプトを感じますよね。全身にサイコフレーム埋め込んで訳分かんない超科学 OS で制御してるからニュータイプでもぶっ殺死、っていう。願望を満たすために最強って概念から遡ってでっち上げたオレ理論。でもその勢いがないと嘘を描いて刷って世界中に配るなんてできないんですよ。」

「やっぱり最強に対して信念を積み上げろってことにしかならないんですかね。いいじゃないですか、勇次郎で。あれは記号的な最強だからどうやっても誰一人強さの足し算じゃ辿りつけなかったんですよね。一億に一億を足したら無限にどれだけ近づくんだって話ですよね。そんなもん永久に到達するわけないんですよ。じゃ勇次郎を有限世界に下ろすしかない。それがどれだけ無茶なスペックになろうと、勇次郎の限界を測ってくのが正当じゃないかと思うんですよ。そこで別なキャラを持ってくるのはものさしにはなるかもしれませんけど、本筋じゃないですよね。ましてや克巳なんかで遊んでる場合じゃないですよ。ギャグですかそれ。今から克巳を引っ張り上げるってどんな泥縄ですか。さんざ伏線を張りまくって賭け金 MAX までレイズした克巳をワンパンでジャガっておいて、いまさらそれはないじゃあないですか。フォーグラー博士かお前はって話ですよ。せめて『BAKI』で再登場したときにフォローしとけよって話ですよ。」

「まあ特に結論はないんですけど、自分の公式見解としては"克巳はない"ってことで。あと『ミカるんX』は面白いですよね。あのもったりしたプロレス的な怪獣バトルが。一万匹の猫のかたまりにヤクザキック。」

通りすがり通りすがり2008/06/28 14:17 板垣センセはもうずっと前から、バキでエンターテイメントを描くことを放棄してるんだと思います。たぶん、『BAKI』の花山 VS スペック戦の後くらいから。あれ以後のバキは完全に板垣センセの思考実験の場になってますよ。自分の思考が盛り上がるに任せてストーリーを展開させて、でもテーマに答えが出たら、エンターテイメント的な配慮をあまりせずに、決着させる。今回のも「純粋野生、最強じゃね?」を思いついたからピクルを描いて、対立項として「社会的存在としての人間?」(共有知の存在や、連帯が精神を介して肉体に作用する力)を思いついちゃって、克己に白羽の矢が立っちゃったんじゃないすかね? 物語的なスジをすっ飛ばして、花山か克己がピクルに勝っちゃうんじゃないですかね。で、勇次郎がテーマを包括するメッセージを言って締め。

とおりすがりとおりすがり2008/06/28 23:04ぶっちゃけ先週までの流れで
まーたバキがしゃしゃりでたら引くわ。

「俺だけ仲間はずれかよ」→「セカンの夢落ち」の前例から思うけど
板垣センセー最強語るわりに漫画家として弱くね?

1331332008/06/29 01:02「セカン?セカンって誰だっけ?」って10秒ぐらい考えてしまいました。
そういえばいたよね、そんな人。
付け加えると、セカンから連想で持ってこなければ浮かんでこないほど、オリバも頭の片隅ギリギリの位置にいました。

 2008/07/01 16:25もうちょっと具体的にピクルが勇次郎に善戦してくれないと
刃牙がピクルに勝つことのメリットがあまりない気がします。
もしかしたらピクルに第二の夜叉猿としての役割を背負わせるのかもしれませんね。
真剣勝負で一度は刃牙をフルボッコにして超絶トレーニングのきっかけを与えるとか。
そこに克己がどう絡むかはまるで思いつきませんが。

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