2008-10-19
■ [映画]『アイアンマン』(ジョン・ファヴロー)

「傑作です。うん……いや……、傑作だと思います。世の中には考えない方が幸せになれることというのが意外とあり、いくつかの脳神経を意識的に切断するセルフロボトミーは人生を楽しむ上でなくてはならないライフハックです。そうした切断操作を経てから眺めると、『アイアンマン』という作品はまごうかたなき傑作であり、みんな脳内麻薬をだだ流しにしながら観ればいいと思うのです。」
「あらすじ。『アイアンマン』の主人公トニー・スタークはハイパーエンジニアにして巨大軍需企業の総帥であり、世界中に兵器を売りさばいて"俺の兵器が平和を維持してるんだ"と断言するようなナイスガイであり彼を"死の商人"呼ばわりした美人ジャーナリストと即日寝るほどのナイスガイです。ある日、アフガニスタンに彼のエクスカリバーを売り込みにスーツで出かけたトニーは、商談の帰り道でテロリストに襲われて大怪我して拉致監禁されて兵器を作れと命令されます。しかしトニーはナイスガイなので超小型かつ高出力のアーク・リアクター(熱プラズマ反応炉)を作製し、ついでに鋼鉄のパワードスーツも作り上げてテロリストどもをキャン言わします。キャン言わす手前で大怪我した彼を救ってくれた医者がどうこうの話がありますが、後の展開には関係ないので忘れて構いません。そうして生還したトニーは悟りを開くのです。」
"みんな、知ってたか!? 兵器を売ると、それを使って人を殺す奴らがいるんだよ!"
「記者会見で"もう兵器は売らない"宣言をしたトニーは、当然のことながら周囲に発狂したものとして扱われます。いじけたトニーは"俺が売った兵器は俺が潰す"と決心し、幼馴染系の秘書に見守られながら自宅に引きこもって超カッチョよくてハイパー性能なパワードスーツを作りはじめます。」
「この映画を二文字で表すならそれは"中二"以外にありえないのであり、今期放映されているアニメと比べても『ガンダム00』を遥かに超えて『鉄のラインバレル』と肩を並べるほどの中二です。作中で周囲から"大怪我したときに頭を打ったんじゃないか"的な扱いをされる人はたくさんいますが、冷静に考えるとやはり頭を打ったとしか思えないヒーローというのは比較的珍しいんじゃないかと思います。しかし、アフガニスタン、テロリスト、反戦、アメリカ空軍、巨大軍需産業といった要素をここまで並べておきながら、まったく思想性を感じさせない『アイアンマン』の脚本は実に素晴らしい。およそ一切の説教臭さを感じさせず、ただただトニー・スタークの中二と炸裂するステキ CG 、ウォーズマンに匹敵する大名物の風格すら漂わせるアイアンマンスーツのスヌッとした造型のみを堪能させる名人芸。このシンプルな凄みが分かりにくい人は、そうですね、『キャシャーン』の DVD を借りてきて見比べてみるといいでしょう。」
「あと、作品全体を流れるギーク最高な雰囲気も気に入ってます。一人のギークがいればセカイ中を敵に回したって勝てる、とでも言わんばかりの。監禁された状態でミサイルのスクラップから超小型プラズマ炉だかなんだかを作り上げるというのは、プログラムで言うと刑務所の中で Firefox を脳内コーディングするに等しい無茶だと思いますが、今の時代にこういうのが通るというのが凄い。たぶんこれは製作者が何も考えてなかったからこうなったんじゃなく、何かを考えることを諦めた結果じゃないかという気がしました。たぶん彼らは何度かこう言ったに違いありません。"だってその方がカッコいいじゃないか"、と。」
いうジャイロのモデルになった人物の本の
帯に荒木先生が現在の版はイラストと推薦文よせてます。
最新の版の帯はカラーですが古い版のだとモノクロで
通販だと最悪ついてない可能性がありますので書店で
現物を確認して買うのがお勧めです。