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イン殺 RSSフィード

2009-05-21

「最近読んだ本。あと直近のスタックに積んであるのは京極夏彦『厭な小説』と海堂尊『チーム・バチスタの栄光』なのですがなぜ今『チーム・バチスタの栄光』かというと

  1. 高遠るい先生の漫画が読みたい。
  2. 原作つきは可能な限り原作から。
  3. 続編は可能な限り最初から。

という大変シンプルな因果関係によるものです。」

[]『龍盤七朝 DRAGONBUSTER(1)』(秋山瑞人、電撃文庫) 『龍盤七朝 DRAGONBUSTER(1)』(秋山瑞人、電撃文庫) - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『龍盤七朝 DRAGONBUSTER(1)』(秋山瑞人、電撃文庫) - イン殺

龍盤七朝 DRAGONBUSTER〈01〉 (電撃文庫)

龍盤七朝 DRAGONBUSTER〈01〉 (電撃文庫)

「あらかじめ完結することを全く期待せずに読む続き物というものが面白いかというと、それを覚悟していれば面白いと言えなくもないです。ほら、みんな結末が分かりきっている話を観たり読んだりするじゃないですか(じゃないですか話法)。ラストで恋人が死んで主人公が泣いたりするのとか。人にはそういう感傷を消費したい時期というものがあって、自分にとって秋山瑞人の本を読むというのはおおむねそんな感じです。「明日の朝にはお肉屋さんの店先に並ぶ運命なのね」というか。」

「しかし読んでいる最中は面白い。"序 - 龍の系譜"の中国説話系文体に相変わらず器用な人だと感心し、章が進みキャラが立っていくにつれて露わになってゆく、いつかこの平穏は完膚なきまでにぶち壊れてしまうのだろうなという予感にむずむずする。完結しないのだろうな、と斜めに見ている態度とも相まって、実に一晩限りのお祭りのごとき玄妙さが漂います。読み終わって本を閉じながら"そういうものだ"と呟くのでした。」

[]利休本 利休本 - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - 利休本 - イン殺

「二冊読みました。これで『利休にたずねよ』が読める。」

千利休―無言の前衛 (岩波新書)

千利休―無言の前衛 (岩波新書)

「余りにもオレ解釈全開だったので赤瀬川原平すげえと思いました。歴史的事実に関する不勉強とかをまったく取り繕う様がなく、むしろさらっと「小学館の学習まんが「少年少女・日本の歴史」のうち『天下の統一。安土桃山時代』というのを買った」とか書いちゃうのです。教養本は読んでて寝てしまうからという理由で。この開き直り方は同じ無教養者として見習いたいところです。」

「どういうオレ解釈が書いてあるかというと、例えばそうですね、古新聞のたたみ方は実は奥深いものがあって、きっちりと真四角に締めて、しばったときにきれいな直方体になるようにする技術は極めるとなかなか美しいものがある、でもそれは家人からすると"何を下らないことに一生懸命になってるの"と言われてしまう、何の経済的利益もない、しかしそういった儀礼化は安心を生むとか何とか、だいたいそんなようなことが書いてあります。言いたいことは分からないでもないんですが、こういうオレ理論の語り方には覚えがあります。柴田ヨクサルの漫画に出てくる人に似てますね。」

「左様にオレ解釈全開であるので、この本が利休を学ぶ上で手助けになるかというと大方なりません。なので、それこそトマソンを眺めるようなほほお面で読むのがよろしいかと存じます。」

千利休

千利休

「すげえまともな伝記漫画でした。伝奇じゃなくて伝記。」

「松永久秀が孔雀みたいな襟になってるとか、住吉屋宗無がらみのエピソードとか、若干の稚気はありますが、全体的に全くの白利休であり、歴史的事実を初めのところから語りはじめて終わりに行ったらやめるあたり、参考書としての価値は高いです。教科書のように読むがよかろうなのです。」

[]『機動戦士ガンダムUC(8) 宇宙と惑星と』(福井晴敏、角川コミックス・エース) 『機動戦士ガンダムUC(8) 宇宙と惑星と』(福井晴敏、角川コミックス・エース) - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『機動戦士ガンダムUC(8) 宇宙と惑星と』(福井晴敏、角川コミックス・エース) - イン殺

「ガノタとネット右翼の接点について考える。ガノタと軍事オタが隣接していることは何となく理解可能。軍事オタとネトウヨが一部重複していることも理解可能。しかしガノタとネトウヨというと、これはどうか。右翼のガノタも左翼のガノタもいるんじゃないかな。としか。」

「と申しますのは他でもございません皆んな大好き『ガンダム UC』の話でありまして、最新巻にはジオン共和国(地方自治体への降格真近)の若き軍人たちが登場するのですね。連邦から弾圧され軍備を禁じられ形骸化した、軍隊と自称することもできない軍隊に勤める憂国の若者たち。彼らの不満はいきおい連邦を批判して止まず、一部勢力は"風の会"なる急進派組織を密かに形成してネオジオンの残党と結託し、いつか雌伏の時が報われる日を夢見て……。」

「福井晴敏が何を言いたいのかは大変よく分かりますが、なぜそれを言いたいのかが分かりません。自分の解釈だとこういうことをする動機は大きく分けて三種類で、

  1. 誰かに対する嫌がらせ。
  2. 純然たる趣味。
  3. 個性。個性なので身から離れようがない。虎の縞は洗っても落ちない。

のどれかです。 (3) は自分が福井晴敏の他の著作を知らないのでとりあえず保留するとして、 (2) も「じゃあしょうがないな」としか言いようがないので保留するとして、 (1) である可能性がどのくらいあるのか。また、おおよそ 10 巻程度で完結するであろうアニメ化を控えた『ガンダム UC 』の終盤でわざわざそれをする必然性がどのくらいあるのか、ということを考えてしまうわけですよ。」

「誰かに怒られてないかと思い探してみたところ、台湾の方が書かれている批判エントリがありました。」

「昼時に似合いメロドラマだ。ジオン共和国国防大臣、モナハン・バハロ。ああやって敗戦国の悲哀を一身に背負っている男が、裏では旧公国人脈と繋がり、連邦の軍産複合体にも金をばらまいてる。ジオニズム復活を唱える右翼団体にも投資していて、共和国軍の将兵相手に懸賞論文まで主催する始末だ」
「懸賞論文?」
「お題は安全保障問題に関して云々というやつだが、ようは国粋主義者を漉し取る選抜試験だよ。で、目に適った者を要所要所に配置して、いざという時の手駒にする」

 冗談ではありません。これどう見てもアレですよ。
 政治批判とかの問題ではありません。フィクションに現実なもの、まして時事ネタに髣髴するような描写を「そのまま」小説の中に持ち込むのは、ただ中途半端に現実世界と連想させて、読者を白けさせるだけです。
 論文事件はもちろん、言葉もそうです。「ファッション」「マスコミ」「特集」「CM」「スポーツニュース」「視聴率」「ヒット数」「刷部数」「広告収入」「メディア」「広告収入」などなど、こうやって一気に大量に使っちゃうと、果たしてそれがフィクションを書くといえるだろう? それともただ現実を借りての模造だろう? フィクションをリアルに仕上げる方法は、決してこれじゃないのです。無闇に現実のモノを作られた世界に持ち込むだけじゃなく、上手く節度がある現実を匂わせるモノとウソ八百を融合するこそ、フィクションというです。こういうマスコミ絡みの政治話フィクションが読みたい方は、『閃光のハサウェイ』と『F91』をオススメです。

TOMINOSUKI / 富野愛好病 福井晴敏の小説『機動戦士ガンダムUC』の問題点を語り尽くす その2

「自分は現実の問題ちょうそのまんま混ぜる手法が即安易であるとは思わないものの*1、浮いていることは確かです。その浮き方が面白いと言ってしまえば面白くもあるので批判するつもりはないですが。没落したドバイネタを持ってくるあたりは無意味な近未来感が出ていてよかったと思うし。」

「それがしあまりディープなガノタではないせいか、 UC が言われるほどひどいとは感じないのですが、全部で 7 つ挙げられている批判ポイントは一理あると思うので続きに期待。自分の反応はこんな感じ。」

  • 文体は特に気にならない。言われてみれば確かにくどいけど。
  • 『ガンダム UC 』は新機動ガンダム伝奇だと思って読んでいる頭があるためか、現実の政治的話題を混ぜるいやがらせについては無責任に「もっとやれ」とも思う。荒山徹という先生はもっと凄いですよ。
  • "主人公をニュータイプする条件という問題"は未稿なので批判内容をエスパーしますが、確かに現実の政治問題を踏み台にして「でも僕らニュータイプだからわかりあえるよ! あえるよ!」で締めるつもりじゃないかなあ、という一抹の不安は残る。
    • それが近年のガンダム作品と比べてどうか、という話は横滑りしていくネタとしては面白いが別の物語なのでとりあえず置く。

「今のところ自分としては『UC』はガンダムを使って福井晴敏が描く公式の二次創作であると思っているので、割と寛大な感じで見ています。きっと「どうだい、おいらのガンダムは? おんもしれえだろお?」と富士鷹ジュビロの漫画に出てくるようなチョイ悪おやじ顔で言ってるんだろうな、と想像しながら。」

*1:混ざりえぬものを強引に悪魔合体させることで生まれる面白さ、というのも時にはあるので。あまり続くと生野菜ばっかりじゃ飽きたよ! 野菜に火を通してよ! 料理してよ! と言いたくなるので、気持ちはわかります。

黄不動黄不動2009/05/22 21:57トリアエーズ、マリーダの過去話は散々プル&プルツーをおもちゃにハアハアしてきた連中には強烈なカウンターになったかと。
少なくとも俺は自分の醜悪な姿を鏡写しにされた気分がしておおいに鬱になりました。

xx-internetxx-internet2009/05/23 06:59> 黄不動さん
その発想はなかった。あれは単にジンネマンとの信頼関係を演出するための鬱設定だと思ってました。
兄メカの暁にはあの設定こそがハアハアな人もいると思われるので、あまり嫌がらせとして機能しない気がします。

祇尾祇尾2009/05/23 19:54>マリーダの過去話
ガンスリンガーガールでもそんなことが言われてました。「自分を兄と無邪気に慕う戦闘少女」=「暗い過去の記憶を洗脳によって消され、人体改造の受けた犯罪被害者」という設定が「妹萌えとか、ヤンデレ萌えとかにハアハアしてきた自分の身勝手な罪業を突きつける」ということだそうです。ちなみに、伝奇小説でマリーダさんと似たような設定のキャラクターて存在するのでしょうか?山風先生なら書いてそうな気はするのですけど…。

xx-internetxx-internet2009/05/25 07:28> 祇尾さん
単に鬱設定の人はくノ一あたりにたくさんいますが、嫌がらせ目的で設計された人は寡聞にして心当たりがありません。『処刑御史』のヒロインは余りにもドリーミーなので逆に嫌がらせと思えなくもないですが。

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