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2009-08-13

[][]『アイゼンファウスト 天保忍者伝』(原作:山田風太郎、漫画:長谷川哲也、講談社ミチャオ KC ) 『アイゼンファウスト 天保忍者伝』(原作:山田風太郎、漫画:長谷川哲也、講談社ミチャオ KC ) - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『アイゼンファウスト 天保忍者伝』(原作:山田風太郎、漫画:長谷川哲也、講談社ミチャオ KC ) - イン殺

アイゼンファウスト 天保忍者伝(1) MiChao!KC (KCデラックス)

アイゼンファウスト 天保忍者伝(1) MiChao!KC (KCデラックス)

アイゼンファウスト 天保忍者伝(2) Michao!KC (KCデラックス)

アイゼンファウスト 天保忍者伝(2) Michao!KC (KCデラックス)

「幕府に仕える白の童貞忍者・天四郎と、野に落ちた黒のジゴロ忍者・空也がいろんな悪人を成敗しつつトムとジェリーのごとくイチャイチャ喧嘩する漫画。というか、その間に天四郎の正義感とか、甘さとか、性的コンプレックスとかを煽り立てて精神的に虐待する漫画。馬鹿をやっていてもどこか格調高い山風先生の作風は消えてなくなり、ひたすら無残、ひたすらエロ、そしてひたすら童貞をあざ笑う内容となっております。これはひどい。
3 巻の予告が特に情け容赦なかったので引用。」

憧れの奥様・お志摩の本性は、人殺しの冷血ド S 痴女!! 恐怖の変態仕置きが、囚われの母娘に迫る!!

童貞ゆえに抱いた、甘ったるい人妻幻想を、木っ端微塵に打ち砕かれた天四郎!

死之介夫妻に"裁きの鉄槌"を振り下ろせるか!?

全世界の童貞、悶絶必至の第 3 巻に刮目せよ!!

『アイゼンファウスト 天保忍者伝(2)』次巻予告

「ひでえ。続きが気になって思わず携帯で読んじゃったじゃありませんか。気になる方は http://moura.jp/manga/michao/281/index.html あたりから辿れるはずなので、そちらをどうぞ*1。」

「作中で引用されるというか、鳥居耀蔵の頭が飛んだ娘が口走る名言は荀子から取っている模様。原作を読んでいないので元からこうなのかは不明ですが、荀子が唱えたという性悪説と作品のテーマがかなり一致しているので、おそらく山風先生の諧謔じゃないかと予想。」

君子の学は耳より入りて心に着き
小人の学は耳より入り口より出ず
口耳の間は四寸のみ

「あとがきに書いてあった、編集者の方がゲラを山風先生の奥様に送りつけているという合法的いやがらせエピソードにしびれる。先生の恋女房になんてことを! 魔界転生した山風先生に祟り殺されないことを祈ります。」

[][]『沈夫人の料理店(1)』(深巳琳子、小学館 BIG COMICS) 『沈夫人の料理店(1)』(深巳琳子、小学館 BIG COMICS) - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『沈夫人の料理店(1)』(深巳琳子、小学館 BIG COMICS) - イン殺

沈夫人の料理店 1 (ビッグコミックス)

沈夫人の料理店 1 (ビッグコミックス)

「単行本が出るまで存在を知らなかったので、うれしい不意打ちでございました。社会的に勝ち組である沈夫人が、料理人を虐待して精神的快楽を覚えつつ、美味い料理を食って肉体的に満たされるという、美食の要素を完璧に満たした漫画。前作『沈夫人の料理人』は明代の話ですが、『料理店』は人物関係をそのままに時代設定を近代にスライドさせた、一種のスターシステム続編。『将太の寿司』のマガジン SPECIAL 版と週刊少年マガジン版のような関係ですね。」

「この漫画はツンデレであるところの沈夫人の立ち位置が独特で、構造的に無限を秘めているところが注目に値すると思ってます。料理漫画には必ずツンデレが登場することは既に常識ですが、そのツンはおおむね一話、長くて数話、ごくまれに単行本数十冊を費やして解消され、解消されたあとは消えてなくなってしまうものです。物語の緊張感はいつしか薄れてしまうのです。
だが沈夫人のデレは一味違う。夫人のデレ条件は極めて単純で、美味いものを食えばデレます。しかしながらそのデレは完全に舌先三寸に留まっており、それによって夫人の精神とか信念が改変されることはありません*2。如何に喰った瞬間はデレていようが、夫人は李三に対して一切心を開かないというか、完全に見下してマヌケ扱いです。舌はデレても脳はツン。つまり、ツンとデレを両立させつつ、膨大な中華料理のアーカイブを巻き込んで無限に黄金回転を続けられるのが『沈夫人』の強みなのです。いや多分。」

[]『鳳凰の黙示録』(荒山徹、集英社) 『鳳凰の黙示録』(荒山徹、集英社) - イン殺 を含むブックマーク はてなブックマーク - 『鳳凰の黙示録』(荒山徹、集英社) - イン殺

鳳凰の黙示録

鳳凰の黙示録

「荒山作品平均レベルでは面白い。荒山作品には欠いてはならない要素というのがいくつかあり、ここを押さえていないとなんとなく物足りなく感じてしまうものですが、その全てが網羅されています。」

  • 朝鮮。
    • 世にあまり知られていない朝鮮史。
    • および現代の韓国史観 DIS 。
  • 妖術。
    • ときに怪物。怪物と書いてグエムルと呼ぶのがここでのたしなみ。
  • 剣術。
    • 新陰流! 剣術絶倫!
  • 捏造ヒーロー。
    • 「おまえ実在しねえじゃん!」
  • 伝奇
    • 歴史上のあの人があんなことに。

「しかし、ツッコミどころは多いのに、どうも展開が後半に行くにつれて荒くなっている点がマイナス。途中までは面白いんですがね。
一部設定的に『魔風海峡』を引きずっているというか、パラレルワールドを意図した部分があり、『魔風海峡』を読んでいないと唐突かつ投げっぱなしに見えるせいかとも思いましたが、どうもそれだけでもなさそう。ブッ飛び加減とまとまり方のバランスでは『魔岩伝説』や『柳生薔薇剣・百合剣』の方が上かな。」


「設定については Woshare Wiki にまとめてござる。」

「回収されない伏線で気になったのは以下の点。」

  • 月の三本足巨大蝦蟇タルトゥッコビ。「怪獣が続いては面白くない」という仮面の変態の一言でカットされてしまったのでたいへん意味がわからない。思いついた設定を書きなぐっただけに見えるし、またそれが「荒山先生ならやりかねん」と思ってしまう。
  • 村正が村正である必然性が。『魔風海峡』から引き継いだ臨海君の設定的に村正になってしまったのだと思いますが、せめて家康に一太刀入れるくらいのシーンはあっても良かったのでは。
  • 豊臣秀頼の新陰流達人設定が使われない。剣もろくに持たないんだぜあいつ。そこは家康に斬りかかったけど銃で蜂の巣にされて「所詮は匹夫の剣」って小馬鹿にされるところでしょう。
    • 大坂城落城シーンはもっと書いてもいいんじゃないのか。白転した淀君のちょうカッコいい死に様とか。秀頼のいくさ人的死に様とか。
  • 不死鳥ラーミアが怪獣大決戦に絡まない。敵の妖獣使いと大坂城上空で決死の空中戦だと思ったのに。思ったのに。

「序盤の琴七剣をジャガる展開とか、中盤の十勇士をジャガる展開とかはスピード感のあるギャグとして楽しめたんですが、終盤の駆け足は少々物足りのうございました。連載完から単行本化まで不可解に長い期間があったので、もう少し加筆なりできたんではないかという印象。鳳凰族と龍族というトンデモの組み込み方がよかっただけに、荒さが目に付きました。」

*1:携帯サイトの使い勝手はそこそこ。画面が小さいのでコマ単位でスクロールするのが FLASH アニメっぽくて癖あり。個人的には単行本の方が読みやすいです。

*2:多少寛容になることはある。人は胃が満ち足りると心が広くなるもので、たぶんどこぞの中国人だかフランス人だかがそんなことを言っている。

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