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2018-11-24 このエントリーを含むブックマーク

  • 劇場版『ハード・コア』が公開されてるので、一年くらい前に書きかけのまま放置していたやつを公開します。やってるゲームの話題に時系列を感じる。
  • 最近楽しんだものの中で一番良さを伝えたいのは何だったかなと考えて、『ハード・コア』が思い浮かんだので記録しておきます。
    • 全場面 FPS 視点の映画の方ではない。だがあれも面白いのでおすすめです。ガルパン劇場版のアガる要素を煮出して瓶詰めにしたみたいな映画だよねって脳内友人に言ったらあんたガルパン向いてねえよって言われた。
      • 『ディープストレンジジャーニー』もやってるんですが、ボイスつきで喋る高圧的な悪魔どもの「ニンゲンども」というイントネーションがたまらないですね。つい真似したくなって脳内で事あるごとに再生されちゃう。
        • 品行方正なプレイヤーとして自然に LAW ルートへ進んだらマンセマットの「消せない悲しみ、絶え間ない迷い、人が持つ悲しみはすべて、これで消せるのです」というセリフがあって、最近流行りのストロングゼロ大喜利に使えそうと思いました。よく読み返したら消せないと悲しみが二回出てくるあたり、相当チンピラくさいですね。ヤクの売人っぽい。
          • 前作は中庸ルートの終盤でゼレ姐さんのジャイアンリサイタルをくぐり抜けたあたりで止まって結局クリアしてないので、今回は二周くらいはやる所存で鋭意検討しております。
          • 話がガンガン横っ飛びするのは、横っ飛びさせたくてこのツリー状箇条書きを開発した者として諦めてくださいとしか言えない。昔バキの新展開を見て、余りにも多重にいろいろなことを書きたくなって思いついたんだ。
      • 女性声のボス悪魔風に言うなら「社会から失われしニンゲンども……。忘れ去られ、這いずり、それでも足掻く者ども……。おお、なんと哀れで、醜く、愛おしいことか……」という感じ。今年自分の中で格段に存在感を増した山田孝之つながりで原作を読んだんですが、バカを容赦なく、かつ慈愛を込めて描く技術は凄い。
        • 底辺の生活をしている人は自己責任なのかという、人間性クイズの題材に好んで使われそうな問いを想定しましょう。そんなことはないか? 残念ながら三分の理としては実在する。生まれも含めた運でもなく、誰が政治しとるのかの社会悪でもなく、能力が低いから、バカだから下にいるしかない。そのような人物を『ハード・コア』は実にくっきりと描いていると思います。リアルとはちょっと違う鮮明さ。写真じゃなく人物画のような。
        • 以下の画像を見ていただきたい。自分はこれが、主人公のそのような特性をわずかな描写で如実に示していると感じましたが、どうか。
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        • 将棋を少しでも分かっている人間ならぎょっとするような光景。怖いとさえ言える。飛車角全部取られた上に前の手から王手かかっててもうとっくに負けているという、これほど低いレベルの盤面はなかなか見られない。何気なく挿入されていたシーンですが、これを見て自分は指している人間が両方バカで、かつ主人公の方がよりひどいバカなんだということが分かってしまった。そして自分で分かったことは余程のことがないかぎり覆されない。「この将棋を指す人間をデスクワークに就けることはできない」と思ってしまった。さてレッスン。人が底辺に落ちるのは自己責任か?
        • サンサーラだ。サンサーラを流そう。残酷な現実はサンサーラさえ流せばだいたい日曜昼のドキュメンタリー番組として昇華できる。久保みねヒャダで「サンサーラいいですよね」「大体の人は生きてますからね。生きている生きているって歌えば外れないですからね」と突っ込んでたの、それ、甲。
          • いまサンサーラの意味を調べたら輪廻転生だった。生きる言葉はサンサーラって、それ今生じゃなくて来世じゃねーか! ひどい! 「次はがんばりましょう」じゃねえっつうの。前前前世の替え歌か。
            • これは原作の指定なのか、作画のときに紛れ込んだ描写なのかが気になる。
        • とは言え『ハード・コア』は悲惨な話ではなく、主人公たちは社会の一部として生きてはいるし泣いたり笑ったりして暮らしております。定収入と住居だってあるし、法律もギリギリ守っている。守ってるよな確か。まあだいたいセーフだ。ダークでハードコアな残酷物語では全然なく、大半バカ話です。バカ丸出しですね。バカだからね。狩撫麻礼も彼らがバカであることの描写は容赦ないですが、描きたかったことはバカが悲惨な生活をするだけの様ではなくて、それでも頑張って生きていく点だと思うのです。もう十年もそこに住んでるような生活感でね。なので、安心してバカにしたり同情したりしつつ読めばいいのです。一巻の保険証がないのに虫歯になる話が好きです。
          • それがしはあまり狩撫麻礼のいい読者ではない自覚があり、『リバーズ・エッジ』を飛び飛びで読んだり『湯けむりスナイパー』を漫画喫茶で読んだりした程度なのですが、微妙なスピリチュアルが肯定的に混じる感じがどうしようもないほど昭和の香りが染みついた人のように思います。 Mr. マリックとか UFO 番組がゴールデンタイムを二時間ぶち抜きで張れていた時代の風というか。バカにしてるわけじゃなく、人智を超えた要素をぶち込んでキャラを揺さぶり、かつそいつの一番の特性をあらわにするってのは短時間でキャラを立てるにはうってつけの手法です。味付けが古いなとは思うけど。「スマホの画面から出てくる幽霊」なんてネタを出しても笑われるだけで誰も怖がりはしないほどオカルトが駆逐された昨今。むしろ「上司が一時間に一度 LINE で仕事の話をしてくる。深夜も」みたいな漫画の方がトゥイッターでバズりそうですよね。そうじゃねえんだよ。もっとこう……あるだろう。「夜道で野犬に会うとちょう怖い」「そうだね、そいつの目と牙が謎の光を発していたらなおさらだ」みたいな、本能的な警戒心にわけわからん要素を後付けしたような雑さが。
        • 話自体は後半の巻でかなりの超展開を見せるのですが、登場人物の行動原理がしっかりしているせいか、それほど違和感はなかった。バカどもがとんでもない事態に遭遇したらどうすると思う? 答えは「途方に暮れる」です。そりゃそうだ。スーパー系要素をぶち込んでも、キャラさえ固まっていれば奴らがどうするかは想像できる。ガルパン世界で戦車に乗ってるシャアが言いそうなことを想像できるみたいにな。ラストも一瞬「 Oh... 」と漏れ出る展開でしたが、なるべくしてなったという納得感はあったかな。平成地獄ブラザーズというサブタイトルはひどいと思っていましたが、最後まで読むと「いや、平成地獄ブラザーズじゃね?」という。実写化も小汚い感じでぜひ頑張ってほしい。
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