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イン殺 RSSフィード

2017-10-10

  • 最近観た映画『ワンダーウーマン』
    • http://wwws.warnerbros.co.jp/wonderwoman/
    • 個人的に面白かった点が二つありました。
      • ひとつ。タランティーノ作品の登場人物みたいに一見関係なさそうな話をしますが、最近 PUBG(PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS)のプレイ動画など観てまして、アサルトライフルだのサブマシンガンだので都市戦をやって茂みに隠れ伏したり一般家屋を制圧したりする様を見物しております。あれがなかなか楽しそうで、グレネード投げて援護したり、サプレッサーつけて死角から銃撃してどこから撃たれてるのか分かってない敵を蜂の巣にしたり、家の陰で出会い頭に敵と遭遇戦になってウージーを乱射したり、皆さん実にきゃっきゃうふふしておりますな。しかし勝つのはそれなりに大変そうで、なにしろ敵も味方も銃で撃たれたら死んでしまうので、如何に撃たれずに撃つか、敵に自分の位置を悟られないかといった点に気をつかう。人間はすぐ死んでしまうから慎重になるのであるなあと当たり前のことを思ったりします。
        • そういうのを観た直後にワンダーウーマンを観ると、上映前に PS4Call of Duty 最新版の CM を流していたりするわけです。あれは第二次世界大戦かな。密林の中で泥にまみれてマシンガンを抱きしめる兵士だとか、倒木を乗り越えてくる戦車だとか、必死の形相で叫ぶ兵士とかの映像が映画と見紛う高解像度で再現されててね。泥っ臭い地獄のような戦場がこれでもかと目の前に展開されるのです。
        • ワンダーウーマン作中の戦争は第一次世界大戦で、彼女が到着するまでの前線は FPSTPS の扱う領域、射線をくぐり抜けて一に地道、二に地道、三四がなくて五に死体みたいな世界です。そういう銃撃戦に慣れた目で眺めていると、突っ込んでくるわけだ、ワンダーウーマンが。ガトリングガンを手持ちのシールドではじきながら、単独で戦線をずんずん踏みつぶして。この映画ほど観ていてドイツ兵に同情した作品はない。地道に地道に十字砲火してたら超ムーブで塹壕まで突っ込んでくるわ、スナイパーがきっちりヘッドショットを決めたと思ったら籠手でパリングするわ。完全にクソゲーです。だってあいつだけスペックが FPS じゃなくて無双ゲーなんだもの。敵が二階にいる家をクリアリングするつらさといったら相当なもので、まず援護射撃しながら壁にとりついて、玄関を開けてスタングレネードを投げ入れて、銃を構えながら死角に注意して複数名で乗り込んで、ドア越しに銃撃しあってようやく制圧ですよ。ワンダーウーマンはそういう面倒な手続きを踏まず、最凶死刑囚のドイルばりにジャンプして二階の窓をドカーンと破って突っ込んできて全員ブチのめす。実にひどい。ゲーム実況ならふっざけんなよと叫んでコントローラーを叩きつけるレベル。あれを美しくブッ飛ばすとは呼びたくないね。
    • 以下ネタバレ。

  • もうひとつ面白かったのは正義の設定ですね。アメコミヒーローが自分は正義なのかと悩むのはもはや伝統芸能ですが、ワンダーウーマンはそのへん少し特殊だった。
    • 地上最強の箱入り娘であるところのダイアナが持っている正義感は当初ものすごく純真というかシンプルというか、困ってる人は助ける、悪いやつはやっつけるくらいの考え方で、戦争についても悪の神アレスが全ての元凶、アレスがいる国を倒せばオールオッケー的な態度でグイグイ来ます。
      • 薄汚れた世間様に染まった観客たちはみな心の中で呆れたり目を背けたり感心したりするわけです。「戦争もいい国と悪い国が戦ってると思ってた。可愛いだろ?」と仙水が言ったのはもう何年前だったか。イギリス将校もなるべく直截的じゃない言い方で分かってもらおうといろいろ腐心する。だがダイアナは聞く耳持たない。おかしいことはおかしいと言い続ける。汚れちまった悲しみに居心地の悪さを味わう観客と作中人物たち。ザック・スナイダーもパンフレットで言ってましたよ。「スティーブは、観客の視点でワンダーウーマンを見るんだ。物語が進むにつれ、彼と観客はワンダーウーマンによって考えを変えることになる」って。
      • もちろん面白いと言ってるのは、そういう田舎娘の純真さに感化されてまわりのどす汚れた大人たちが変わっていくみたいな感動小話ではないです。いよいよナチスの司令官をぶち殺して、ワンダーウーマンが戦争は終わらないことに気づいてからが本番。そこで本当の邪悪は人間の心の中にあったとか言い出すと陳腐ですが、この映画、そこでガチの黒幕アレスを出しちゃうんですよね。そこまで観客誰もがダイアナの妄想だと思ってたアレスさんを、ご丁寧に「私は何もしていない、ちょっとナチスの科学者にささやいて知恵を与えてやっただけだ」とか全部説明させながら。自分の策略を解説せずにはいられないマンか。
        • 人間の脳は根本的に二重否定を理解できないという話があって、たとえば「逆差別反対」みたいな否定に対する否定を見かけると、一瞬脳がフリーズして論理がどっちに回ってるかを考えてしまう。即座に理解できないので二重否定は不便、みたいなことです。今までダイアナが間違ってると思いつづけて観ていた人たちは、彼女のいう神話級わるものがのうのうと顕現してくるさまを見て否定がひっくり返され、脳がフリーズするわけです。「あっ、すいません、おれらごとき薄っぺらな藁の家が神話級の方を『ゴルゴムと戦ってた頃の南光太郎さんみてえ』とか思ってマジすいませんした……。ええ、あとは若くない方々でゆっくりやってください……」くらいの感覚になりました。ああ、うん、それが君の正義だし、もうそれでいいんじゃないかな……。悪い国は悪かったんや……。
          • ヒーローの正義設定を押し通すやり方としては割と力技というか、ぶんなぐって衝撃を受けたところに瞬間催眠をかけるみたいな外法だと思う。二度は使えない。まあ、世俗の垢にまみれてルーブル美術館で働いてるダイアナはもうそこまで正義正義した人でもなかったし、むしろやる気ない部類だから今後他のヒーローを説教したりもせんだろうし、もういいよ。おしまい! この話はおしまい!

xx-internetxx-internet 2017/10/10 07:26 HiGH&LOW は興味あるけど観てません。プリキュアみたいにエンディングで踊るの?

dkrorscdkrorsc 2017/10/14 23:32 びっくりしましたよねーアレ
現実を知ってそれでも正しい事は正しいんやと言って終わり!みたいな話かなと思ったら
ホントにアレス出てくるわ愛こそ全てとか微妙にズレた着地するとか
これで見ててナメんなという感想にならんあたり秀逸だと思います。

そーいや無関係な話ですがウォッチメンの「その後」が明らかになり
オジマンディアスの所業が明らかになってオジー失踪
その後なぜかバットマンの実家にコメディアンのバッジが見つかったそうですが
映画の方にもウォッチメン勢が参戦するんですかね

ドーンドーン 2017/10/18 08:16 人間がクズの集まりだと証明する為に神話の時代からコツコツ仕事してきたアレスというマッド野郎と
アレス関係なく争う人間とトレバーを見て「人間は選択できる」とダイアナが選択するという流れは
ストーリーを綺麗に着陸させたと言っていいと思います。
あのままアレスなんていなかったんだという話になるとダイアナとセミスキュラの人達が完全にピエロの集まりになりますし、
そうしたら70年以上続く原作ファンによってワーナーが焼き討ちにあいかねませんからね。

ゲスト



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